日々是傾き

歌舞伎、着物、その他いろいろ。傾いたり傾かなかったりな出来事あれこれ。

七月大歌舞伎 昼の部

さて、超プラチナチケットをゲットして、行ってきました。歌舞伎座七月歌舞伎。
何せ、6月11日の段階で、昼の部 平日も完売! 一般発売の前日に。
こんなに早く売り切れていたとは、お釈迦様でも 気がつくめぇ。

与話情浮名横櫛(見染め&源氏店)
与三郎 海老蔵 × お富 玉三郎  蝙蝠安 獅童  和泉屋多左衛門 中車

楽しみ~! ってことで、特に二幕目の名セリフの数々を楽しみにしていたのです。

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で、やはり満席。
まずは、南総里見八犬伝NHKの人形劇でもやってたなあ。見どころの「だんまり」や、屋根の上での立ち回りなどなど、ザ・歌舞伎な演目で、おいしいとこ取りで良かったなあ。でも、これでも前座。

そして、待ってました! 与話情浮名横櫛。見染め&源氏店。
木更津の浜辺でお互い一目惚れする、海老蔵玉三郎玉三郎の「いい景色だぁねぇ」がゾクゾクしたし、海老蔵の惚けた表情がとても良い。私もあんな風に惚れられたい! 恋に落ちた人の、あの感じ。たまらんなあ。(どうでもいいか)
しかし、海老蔵、1階席を歩いて客席を大いに沸かせてたなあ。3階席からは見えなかったけど。
しかし、本当に「待ってました」なのは、源氏店の場。
いやさ、お富。久しぶりだぁなぁ・・・。思わぬところで再会した二人。いやあ、ドラマチック!
名セリフのオンパレードで、何度聞いてもニンマリしてしまう。
個人的には染五郎の与三郎が印象深く、ちょっと比べてしまうけど、海老蔵も頑張ってたんじゃないかなあ。
蝙蝠安は獅童もいいけど、中車でも見たい。あんな悪い感じはピカイチだと思う。
猿弥の藤八もコミカルで良かった。


最後のお楽しみは、猿之助の早変わり、蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)。
これが、また。
やはり海老蔵は荒事だな。猿之助に負けてなかった、押し戻し。成田屋っ!
二幕目、尻切れトンボだったけど、三幕は、ヤンヤヤンヤで大喝采。良かった~! 海老蔵は、これでなきゃ。セリフは要らない。荒唐無稽がよく似合う。これぞ歌舞伎、これぞ成田屋。アドレナリン出まくって、ほんと楽しかった。
もちろん猿之助は今日も魅せてくれました。早変わりも華麗な舞にも感動した! 一番良かった!
海老蔵×猿之助、最強やなあ。

3階席の端っこだったけど、 十二分に楽しませていただきました。元気出た~!

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サッシペレレ

知る人ぞ知る、ブラジル音楽と料理のお店、 サッシぺレレ。
http://www.saciperere.co.jp/

ボサノバの日には行ったことがあったのだけど、サンバの日、初体験。

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ライブが始まり、盛り上がり始めの合図は、ジャーン!サンバなお姉さんが登場!

テーブル席の近くに来てくれるのだけど、もー、スゴいんです。画像は上げませんが、後ろ姿が…。キュッと上がっていて。キュキュッと締まっていて。

この日の出演は
Nero(ボーカル、パーカッション)
Ronaldo(ギター)
吉田 和雄(ドラム)
サンバなお姉さん、ダンサーはRenataさん。

Bossa Novaのちょっと気だるい心地よさが、いつの間にかSambaのダンサブルなノリの良さに変わっていて、そこでサンバなお姉さんが盛り上げてくれたら、もう身体が勝手にフロアに出ちゃうワケだ。


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ミュージックチャージ2000円(金曜日)。
あまりにも楽しくて、3ステージ見て、しっかり踊って毎度汗ダク→飲み物進む。という好循環。
興奮さめやらぬまま外に出たら、夜風が心地よくて、日頃のちっぽけな悩みなんて、どこ吹く風。

店名の「サッシペレレ」って、 ブラジル北部の山中に住んでいると言われている子供の妖精なんだそうで、この妖精ちゃん、大人嫌いで大人にいたずらするのだとか。
日頃の大人社会のモヤモヤを忘れさせてくれるイタズラだったら大歓迎。

サッシペレレ
また行きたいな。今度は誰と行こうかな。

明治座 五月花形歌舞伎 昼の部

明治座 初日。

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昼の部は「矢の根」右近、「男の花道」猿之助愛之助、中車。猿之助が女形の歌右衛門を演じる。どうですか、猿之助の、この美しさ。

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去年の明治座 五月花形歌舞伎 は染五郎義経千本桜だったけど、今日と同じように五月晴れで気持ちが良い日だったなあ。もうすっかり初夏です。
今日のお席は2階右(二等席)。花道が良く見えます。

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まずは、歌舞伎十八番の内「矢の根」で幕開き。曽我五郎は右近。
「暫」の鎌倉権五郎と同じ車鬢と筋隈が勇ましい、ザ・荒事。
しかし、大根を掲げて見得を切るのが笑えた。大根!大根ねぇ。

で、「男の花道」である。
いや~。面白かった。男の花道。歌舞伎版 走れメロス中車(大和田常務)が、しぶとく謝罪を拒否する役どころなのも笑えたし、しかもラブリンと共演だし。しかし、何といっても猿之助の踊り、うまいなあ。感服しました。

それにしても・・・
(ネタバレあり)

いつの間にか、私たち観客が芝居のキャストになっていて、客席と舞台の一体感が良かった。お客さんが思わず舞台の猿之助に返事したりして(ちょっとイケてない返事だったけど。笑うシーンじゃないのに客席から笑いが漏れた)。
ああ、間に合わない・・・おーい、まだ来ないの?・・・はっ!やっと来たよ。の場面では、女性のお客さんから「待ってました」の声がかかるし(思わず発したみたい)。
いずれも、否定的な返事、女性の大向こうってことで、私にしてみれば「えっ!?」てな感じだったのだけど、芝居を観に来た私たちが、劇中の芝居の観客にもなっていて、私たちも芝居に参加している感が良かったなあ。
中村座での芝居という設定も、先週、平成中村座に行ってきた私としては、芝居の世界観にどっぷりはまってしまい、非日常を堪能できた演目でした。

(ということで)
申し訳ないけど、右近の矢の根、前座なんだけど、完全に霞んでしまった。あれはあれで良かったのですが。

猿之助、前回見たのは壽初春大歌舞伎「黒塚」の鬼女、老婆役。今回は稀代の女形役。どんな役もこなせるのがスゴイ。そして、踊り、巧いわー。何度見ても、いつも新鮮で迫力があってキレがあって、スゴイの一言。また見たい。

 

 

 

 

 

 

平成中村座 陽春大歌舞伎 昼の部

待ってました! 浅草に現れた江戸の芝居小屋。
昼の部は、双蝶々曲輪日記「角力場」、勧進帳、魚屋宗五郎。
まずは、勧進帳勘九郎の富樫×七之助義経を見たいもので。私の好きな亀蔵が出てるのも嬉しい。

浅草寺を過ぎると、白っぽい建物が。ここ、入り口は間口が狭い。

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江戸の芝居小屋に上がるには、履き物を脱ぐ。
ちょっとワクワクしてきました。

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中村座の定式幕。中村座の大提灯。

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土曜日の松席は、とても取れず、竹席(1階)。花道が良く見える席を取ったのは、勧進帳のため。飛び六方は、しっかり見たい!

ということで、いよいよ幕開き。
双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)角力
彌十郎の濡髪、獅童の放駒が舞台上の相撲場に現れると、中村座全体が江戸の芝居小屋にタイムトリップ。歌舞伎座もいいけど、こういう小さな小屋も、また良し。

30分の幕間を挟み、いよいよ、勧進帳
勘九郎の富樫×七之助義経もさることながら、橋之助の弁慶、鬼気迫るものがあり、圧倒される。七之助の凛とした佇まいも、いいなあ。
で、引っ込みの飛び六方。1階で見ると、こんなに迫力があるんだな。会場の熱気、盛り上がり、最高潮。いやあ、良かったです。

魚屋宗五郎は初めて観る演目。

勘九郎が酒を飲む湯呑は、勘三郎が使っていたもの、とのこと。勘三郎の姿を彷彿とさせる勘九郎の酔いっちくれ加減が、また可笑しくて、いかにも中村座で、勘三郎にも会えた気がしたような。
個人的には、女房おはまの役どころが、も少しキレイどころだったら良かったなあ、と。せっかく七之助を観るのに、あの女房役だと美しさが出せない・・・。でも、コミカルで人情味あふれて、とても面白く観られました。
酒飲みの旦那を持つと、あんな感じ。ってのは、日々体感しているので、隣で観ていた夫をチラ見したりして、夫も少し気まずかったりして、そういう意味でも、なかなか楽しい演目でした。

歌舞伎座三月大歌舞伎

「菅原伝授手習鑑」を通しで。

序幕「賀茂堤」と六幕「寺子屋」は単独で観たことがあったのだが、今回、通しで見て初めて理解できたこと多数。

序幕「賀茂堤」は斎世親王と苅屋姫が牛車の中で逢引する話だけど、それだけ見ても「ふーん」てなもので。
が、しかし、これが悲劇の幕開けだったということで、五幕「賀の祝」で桜丸が切腹。六幕「寺子屋」での梅王丸のセリフ「桜丸が可哀想」に繋がるのだと知り納得。
何度見ても、新しい感動があるものだなあ。

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四幕「車引」は息子@小1、歌舞伎座デビュー。テレビでは見たことがあった演目だけど、生では初。
幕見の発券に並んだときから興奮気味で、幕見券を購入して大喜び。開場まで随分待って、いざ4階に。自由席を早い者勝ちで取って一安心。開演までオペラグラスで緞帳を見たり、準備に余念がなく、シートの座り心地を確かめたり、座布団をもらって高さを調整したり、「見るぞ!」の意欲満々。
拍子木の音が響き、いよいよ開演。
梅王丸(愛之助)と桜丸(菊之助)が登場するも、笠を取って顔が見えるまでが長い。ふと見ると、息子、寝てる。
気持ち良さそうに寝息を立てている息子を、見どころで起こしつつ、舞台は進行。
松王丸(染五郎)が出てきて3人で見得を切る場面は、さすがに見てね。

テレビで見た車引は、梅王丸(吉右衛門)桜丸(芝翫)松王丸(幸四郎)時平(富十郎)と、そうそうたる役者が揃ったが、今日は中堅の若々しい車引であった。
愛之助の太い声、菊之助の凛々しい姿が印象に残った。染五郎はどうしても幸四郎と比べてしまい、父に比べてくどさが軽減されたのが良かったかな。
半分夢心地で見た生の車引。息子「面白かった」「楽しかった」と大満足。
次は「暫」がかかったら見たいとのこと。

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こいつぁ、春から 歌舞伎三昧~三月大歌舞伎、平成中村座 陽春大歌舞伎、明治座 五月花形歌舞伎

1月の初春花形歌舞伎@新橋演舞場、壽初春大歌舞伎@歌舞伎座に続き、3月、4月、5月は菅原伝授手習鑑、勧進帳&魚屋宗五郎、矢の根&男の花道と続く。
3月は2等席だし、4月の中村座もお高いし、5月の明治座も行くとなると、GWは節制しなくては・・・。

3月は通しで見られるし、4月は平成中村座とあれば行かねばならぬ。5月は猿之助愛之助&中車である。見ない理由は、ない。


着物も3回着られるので、箪笥に眠っている あれやこれやを着て行こう。5月は単衣で大丈夫かなあ。袷の羽織は3月までか。コーディネートを考えるのも、また楽し。

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