日々是傾き

歌舞伎、着物、その他いろいろ。傾いたり傾かなかったりな出来事あれこれ。

歌舞伎座三月大歌舞伎

「菅原伝授手習鑑」を通しで。

序幕「賀茂堤」と六幕「寺子屋」は単独で観たことがあったのだが、今回、通しで見て初めて理解できたこと多数。

序幕「賀茂堤」は斎世親王と苅屋姫が牛車の中で逢引する話だけど、それだけ見ても「ふーん」てなもので。
が、しかし、これが悲劇の幕開けだったということで、五幕「賀の祝」で桜丸が切腹。六幕「寺子屋」での梅王丸のセリフ「桜丸が可哀想」に繋がるのだと知り納得。
何度見ても、新しい感動があるものだなあ。

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四幕「車引」は息子@小1、歌舞伎座デビュー。テレビでは見たことがあった演目だけど、生では初。
幕見の発券に並んだときから興奮気味で、幕見券を購入して大喜び。開場まで随分待って、いざ4階に。自由席を早い者勝ちで取って一安心。開演までオペラグラスで緞帳を見たり、準備に余念がなく、シートの座り心地を確かめたり、座布団をもらって高さを調整したり、「見るぞ!」の意欲満々。
拍子木の音が響き、いよいよ開演。
梅王丸(愛之助)と桜丸(菊之助)が登場するも、笠を取って顔が見えるまでが長い。ふと見ると、息子、寝てる。
気持ち良さそうに寝息を立てている息子を、見どころで起こしつつ、舞台は進行。
松王丸(染五郎)が出てきて3人で見得を切る場面は、さすがに見てね。

テレビで見た車引は、梅王丸(吉右衛門)桜丸(芝翫)松王丸(幸四郎)時平(富十郎)と、そうそうたる役者が揃ったが、今日は中堅の若々しい車引であった。
愛之助の太い声、菊之助の凛々しい姿が印象に残った。染五郎はどうしても幸四郎と比べてしまい、父に比べてくどさが軽減されたのが良かったかな。
半分夢心地で見た生の車引。息子「面白かった」「楽しかった」と大満足。
次は「暫」がかかったら見たいとのこと。

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