日々是傾き

歌舞伎、着物、その他いろいろ。傾いたり傾かなかったりな出来事あれこれ。

「釜山海ハーフマラソン大会」韓国語を習いに行く

長い前置きです。そして超個人的な感動をつらつら書いてます。

福岡で働いていたころ、20年ほど前。韓国第2の都市、釜山のリゾート地・海雲台ビーチを代表するホテルのお仕事に携わっていたことがある。

釜山は福岡から高速フェリーで3時間弱。中学生同志の交流会ということで、初めて訪れたアジアの都市が釜山だった。そのとき会った子と文通を続け、大学生になって釜山で再会。社会人になってからは釜山のリゾートホテルのお仕事に関わらせていただいた。
なんともご縁のある、大好きな町だけれど、上京してからは行けておらず、また行きたいなあ、と思いつつ、そのままになっていた。
大学生のころ少しと、仕事で関わるようになってから細々と勉強していた韓国語も、99年にハングル検定5級(超初級)を取って以来、中断していた。

そんな中、今年で15回目を数えるという「釜山海ハーフマラソン大会」に出たいな、と思い立ったのが7月の末。なんてったって、スタート地点は海雲台海雲台ビーチや広安里ビーチを見下ろす大橋を渡るコースなのだ。大会事務局に問い合わせ、大会は10月1日、参加申し込みは9月2日までと判明した。走る友達を誘ってエントリーしたのが8月半ばを過ぎていた。
友人も行くならば、きちんとアテンドしなければ、と思ったのと、ずっと勉強したかったこともあり、NHKラジオでの自習ではなく、韓国語を習いに行くことにしたのである。
ハングル検定5級という、実に中途半端なレベルと、仕事で行っていたころに耳から入ってきた日常会話は少し理解できる(が、音だけ。文字としては認識していない)という微妙な知識のため、グループレッスンにはそぐわなさそう。今回の勉強のゴールは、10月に釜山で過ごすのに困らない程度の日常会話を習得すること。
ということで、プライベートレッスンを土日1レッスンずつ全12回。レッスン開始は8月20日と相成ったのであります。これが思いのほか、楽しかった。

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大学生のころに、選択科目として習った「朝鮮語」は主に書き言葉(ハムニダ体)。会話で使う話し言葉(ヘヨ体)は習ったことがないが、耳で聞いて知っていた。
「座ってください」の意味の「アンジュセヨ」は、耳で覚えて自分でも使っていたけれど、「~ください」の「~ジュセヨ」に「アン」(=否定の言葉でもある)が付いてるのでもなかろう、文法的に不可解だ、と思っていたのだけど。
「座る」は「앉다(アンタ)」という、発音の割に複雑な文字になっていて(アを表す아の下にnとjという2つの子音が合わさっている)、アンジュセヨは、앉(ア+n)に으세요(ウセヨ)が付くときに(ア+n+j)+(ウセヨ)となるからして「앉으세요」(アンジュセヨ)なのだー。とか。

私にとっては、毎回のレッスンがものすごく面白い。知らずに使っていた言葉が、文字として理解できて、ハングル(仮名=読み)として頭に入ってくる。ヘレンケラーが水の感触と文字(指文字?)としてのWaterが繋がったとき、ものすごい感動があったらしいけど、それに近いものかしら。
いや、アンジュセヨ程度の言葉は、ハングル検定5級でも出てきていたのかもしれないけど、そのときも感動したことを、すっかり忘れていたのかもしれない。いずれにせよ、面白いのだ、韓国語って。

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どうせ習うならば、ということで、プライベートレッスンは韓国語ネイティブの先生にお願いするのだから、日本語ネイティブとして韓国語学習を考えている先生の書籍で、日本語視点から韓国語を勉強してみた。
韓国語をいかに学ぶか。
いや、これがまた。ここに書ききれないけど、ものすごく深くて面白い。日本語と韓国語って、近くて似ていて取っ付きやすいけど、逆に思わぬところが違ってて、そこが韓国人の先生からすると日本人に教えにくいんじゃないかなあ。なんて、韓国語教授法について考えてみたり。
いやいや、マラソンに行くのが目的だったのに、韓国語の面白さにずぶずぶと深みにはまっていくのでした。

週末ごとに2レッスンずつ、6週間。初級Ⅰのテキストを終わらせて、いよいよ釜山に旅立ちました。